手間の掛かること は 手間を掛けるしかないということ

近頃は効率化だとか節約だとかで、なんでも簡略化をしたり単純化することを推奨する流れがあるように思います。

ペーパーレス化だったり、余分な包装を省くようにしたり。

そのあたりの工夫は、まだいいと思います。

しかし、例えばその企業の売りである商品そのものに効率化単純化簡略化をしてしまう、というのはどうなんでしょう。

価格を抑えることができる、というメリットがまるですべての正義かのようにまかり通ってしまっては、本来あるべき価値というものを見誤る可能性があります。

ゴルフグローブを作るうえでは、縫製・裁断のコストや副素材の品質はもちろん下げることは許されないが、なんといってもメインの生地に関して、手を抜くようなことはできない。

 

当社で現在扱っているマイクロファイバー生地は、まずは工場で大きなロールとしてざっくり仕上げ、その後取り扱いしやすい大きさにカットします。

そのカットした生地を、1枚ずつ薬品に漬け込み、しっかりと生地を柔らかくそして丈夫になるように仕上げをします。その後、薬品をしっかり洗い流して生地が完成します。

文章で書くとこれだけの作業なのですが、その漬け込む→生地をほぐす→洗い流す→乾燥させるの作業がかなり重労働。

そして、作業時間と待ち時間が交互にあり、たいへん手がかかります。
(ちなみに、牛や羊の皮も、上記のような作業を経て革になります。かなりおおざっぱですが、この作業を鞣し(なめし)といいます)

(鞣し作業の工程の一例:この太鼓の中に生地や皮が入っていて薬品や染料で揉み解されます)

この作業、手間がかかるからもう少し簡単にしようか、行程をナシにしようか、と何回も考え実験してみました。

しかし、結局この作業を経たできた生地で作ったグローブが一番質感がよく、ああやっぱりこの手間はかけなければならないのか、と改めて感じました。

 

そんなマイクロファイバー生地ですが、この夏頃には新しいタイプをお見せすることができそうです。

テスト段階であがってきたグローブは、なかなかいい感触になっております。ご期待ください。

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